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ラジオはブランド活性化に有効 ”リスナーとの絆”が決め手

日本民間放送連盟「民間放送」 02年5月23日(木)1568号

ニッポン放送と博報堂とは、毎年ラジオのパワーを実証するために共同研究を行い、その結果を発表している。
今年はパーソナリティ(番組)とリスナーとの絆を生かした企業(ブランド)とのコラボレーションが、販売促進効果に加えて、ブランドコミュニケーションの活性化にもつながることを証明した。
しかし、このプロジェクトは当初、「人や物を動かすラジオのパワーをわかりやすく実証しよう!」という目的で、スタートしたものであったのだ。

◆きっかけは「番組オリジナル弁当」

ニッポン放送は、これまで、コンビニのサンクスとタイアップし、「鶴光の噂のゴールデンアワー」の『なじょなじょスタミナ御膳』(01年12月発売/2週間で21万食販売)をはじめとする、コンビニ界の常識を打ち破る、「番組オリジナル弁当」を次々とヒットさせて来た。
こういった商品開発企画を立ち上げの段階からレポートし、各種データを収集・分析すれば、ラジオの持つパワーをわかりやすく証明できるのではないか?――この思いつきが、そのまま今回の研究発表のメインテーマとなり、ニッポン放送のワイド番組「松本ひでおと石川みゆきの ヨッ!お疲れさん」で、商品開発に取り組むことととなった。
パートナーは「食品であること」「独自の流通を持っていること」を条件で探したのだが、何と、これまで特定のメディアと組んだことがないという、日本ケンタッキー・フライド・チキンに協力いただけることになったのである。

◆「お疲れさんパック」完成!そして発売!

番組では、この企画を「プロジェクトKFC」(ケンタッキー・フライド・チキンの略)と名づけ、昨年12月から、オリジナルメニューの募集がスタートした。
リスナーから寄せられたアイデアは、メニューだけでなく、パッケージのデザインや、発売後のキャンペーンプランに至るまで、実にバラエティに富んだものであった。
そしてこの中から、「番組のタイトル『ヨッ!お疲れさん!』にちなんで、一日の終わりに、カップルや家族で楽しく食べるメニューにしよう!」という案が採用され、その名も「ヨッ!お疲れさん えびグラタンパック」が誕生した。
値段も、ニッポン放送の周波数にちなんだ「1242」円とし、店内ポスターや商品POPの「1242」円の表記にも、ニッポン放送のオリジナルロゴを使用するなど、ここにもリスナーのアイデアを採用した。
そして、発売初日の今年1月10日(木)。
番組レポーターが一日店長をつとめた銀座K&E店では、わずか3時間で87パックという驚異的な売上を記録した。
また、特に首都圏周辺のロードサイド店での売上が目立ったことから、ラジオリスナーにドライバーの比率が高いことも、改めて証明されたのである。

◆うれしい副産物「ブランド活性化」効果

冒頭でもふれたが、このプロジェクトは、当初は"人や物を動かすラジオのパワーを分かりやすく実証する"ことを目標としていた。
これは、売上数や来店者数という、目に見えるデータで実証することができたのだが、しかし、さらに目に見えない貴重なものを得ることができた。
それが「ブランド活性化」効果の実証である。
「お疲れさんパック」の購入者に行ったアンケート結果によれば、この企画がきっかけとなって、ケンタッキー・フライド・チキンへの「親近感」が非常にアップしていることがわかった。
また、「初めて来たけれども、またお店に来ます」「しばらく疎遠だったけれども、これをきっかけにまた買います」といった声も聞くことができ、この企画が新規顧客の開拓や、休眠顧客を復活させるきっかけにもなったこともわかった。

◆ラジオこそブランドマーケティングの成功事例

ラジオ番組=パーソナリティとリスナーとは、強い信頼関係で結ばれている。
さらに、この"絆"を利用すれば、売上の向上だけでなく、ブランドの活性化も実現できる。
マーケティングコミュニケーション戦略をたてるにあたって、ラジオが有効であることを、これほどわかりやすく証明できるとは、正直思わなかった。
すでに出つくしたと思われているラジオのプロモーション手段であるが、視点を変えれば、まだまだあるということを、恥ずかしながら、リスナーから教えられてしまったことになった。
まさに、"リスナーは神様"である。

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