「天国にいちばん近い島」の時に作った入れ歯!?
これは、映画「天国にいちばん近い島」の撮影の時につくった入れ歯です。
正確には「金歯カバー」と呼ぶべきものでしょうか?
私は子供の時から虫歯が多く、小学生のうちにあらかたの永久歯に何らかの治療を施してしまいました。
それも、ほとんどが金歯!
幸い、前歯の上4本、下4本は無事だったのですが、その横からもう金歯で、ちょっと大きく口を開くと見えてしまうという状態でした。
これが映画の撮影に、何か支障をきたしたわけではないのですが、「天国にいちばん近い島」だけは別で、私の役柄は「ニューカレドニアの日系三世」――つまり、金歯なんかあるわけない役柄でした。
そこで、撮影スタッフは特殊メイクの第1人者である原口智生さんに依頼して、この樹脂製の金歯カバーを作ったというわけです。
説明が遅くなりましたが、写真の白いところは石膏で、色が違う2ヶ所がその金歯カバーです。
今は変色していますが、1984年当時は歯の色そのもので、カパッとはめると、まったくわからなくなりました。
ただし、食事のシーンだけは要注意で、「噛み締めると割れてしまう」と脅されていたので、ろくに噛めない上に、気をつけないと、ご飯と一緒に金歯カバーも一緒に飲み込んでしまうことになるので、ドキドキものでした。