「時をかける少女」は、なぜ映像化され続けるのか?

角川書店「野性時代」2006年8月号(06年7月12日発売号)

「時をかける少女」は、その時代を象徴するアイドルが主演して、数年ごとにリメイクされるという、不思議な運命を持った作品である。
それはなぜだろうか――自分なりに分析をしてみた。
意外と知られていないが、筒井康隆氏の小説「時をかける少女」は短編である。
極めてシンプルなストーリーで、これを映像化するためには、原作にない設定や、登場人物や、エピソードを加えなくてはいけない。
おそらく、クリエイターたちは原作を読んだ途端に、「これなら自分版の『時をかける少女』がつくれる!」と思ったに違いない。
これが私の説である。
稚拙なオチで申し訳ない。
今回のアニメ映画化にあたっても、おそらく細田監督は様々な部分に工夫をこらしていることと思われるが、秀逸なのが芳山和子を脇役として登場させたことである。
「うーん、その手があったか」という印象だが、これだけで映画が気になってしかたがない。

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